()内は、国名/監督/主演
1位 ロシアン・ブラザー
(ロシア/アレクセイ・バルバノフ/セルゲイ・ボドロフ・ジュニア)
2位 裏切り者
(アメリカ/ジェームズ・グレイ/マーク・ウォールバーグ)
3位 楽園をください
(アメリカ/アン・リー/トビー・マグワイヤ)
4位 こころの湯
(中国/チャン・ヤン/チュウ・シュイ)
5位 ブラックボード 背負う人
(イラン/サミラ・マフマルバフ/サイード・モハマディ)
6位 リメンバー・ミー
(韓国/キム・ジョングォン/キム・ハヌル)
7位 追撃者
(アメリカ/スティーヴン・ケイ/シルヴェスター・スタローン)
8位 ムルデカ 17805
(日本/藤由紀夫/山田純大)
9位 誘拐犯
(アメリカ/クリストファー・マックァリー/ジェームズ・カーン)
10位 ROCK YOU![ロック・ユー]
(アメリカ/ブライアン・ヘルゲランド/ヒース・レジャー)
男優賞 ジェームズ・カーン(裏切り者、誘拐犯)
女優賞 ジル・ヘネシー(DENGEKI)
1位こそロシア映画『ロシアン・ブラザー』が獲得したものの、全体的にアメリカ映画の健闘が目立った。アメリカ映画は、夏くらいからデジタル技術を駆使した虚しい大作が続いたものの、それらと逆行するかのように、自然光撮影に徹した『裏切り者』や、寒さを暗さで表現した『楽園をください』、ベストテンには入っていないが、自然光でパンフォーカスに挑む快挙を成し遂げた『彼女を見ればわかること』など、特殊効果に流されるのではなく、照明と露出が、ともすれば映画でなくなってしまうギリギリの限界点で苦闘するかのような、挑戦的な作り手が多く現れ、映画はまだまだ滅びるものではないぞ、という心強い主張を浴びせてくれた。
男優賞と女優賞については、今さら言及するまでもあるまい。ジェームズ・カーンの、昨年くらいからの突然の復活は、いったい何なのだろう? 『誘拐犯』における「老いぼれとはどういう意味かわかるか? それは生き残っているということだ」の忘れらないセリフとともに、来年もその冷たい迫力を発揮してくれることだろう。
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