編集後記
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山田英司プロフィール
「格闘ストリーミングマガジンBUDO-RA」編集長。「格闘伝説BUDO-RA」編集長。
早大「中国拳法同好会」初代主将。高校時代より中国拳法を学び、台湾、中国などの師につき、八極拳、螳螂拳、太極拳(陳式、楊式)、翻子拳、通劈拳、少林拳、形意拳、劈掛掌、各種武器などを学ぶ。自ら新空手やムエタイに挑み、戦う編集長として知られる。実戦だけでなく、その格闘理論には定評があり、初めて中国拳法の上達理論を確立する。
2000年3月号
山田英司編集長
編集後記
さて、ミレニアムを迎えて格闘技界の今後はどうなるのでしょう、と良く関係者に聞かれる。分裂や変化の激しい格闘技界のめまぐるしい動きを皆心配しているようだ。しかし、そんな心配は全く無用です。
明確な答えだけひとつ出しておくと、今後はますますやる側の格闘技が社会の中で必要になってくるという事。これは確実でしょう。(でも、あまり言うと、本誌をマネて技術編ばかり他誌が特集を組むようになっても困る…)格闘技界が激動しているように思うのは、あくまでも表層部分。本当は、どの団体が分裂しようと、誰がチャンピオンになろうと、やる側の人間にはほとんど関係のない事件。例えば、今あなたが空手をやっているのなら、きのう蹴れなかったハイキックが今日はきれいに蹴れた。太極拳をやっているなら、腰を落として楽々と型ができた。こんな事件の方が、よっぽどあなたにとって大きな事件のはずです。
だから、本当の格闘技雑誌の役割とは、格闘技を学ぶ喜びをひとつひとつ読者とともに発見し、体験していくことなのです。
むろん、格闘技の楽しみのひとつの中に大会や試合を見ることも含まれているので、こちらの報道も大事。でも、それだけでは格闘技雑誌としては、全く不完全だというのが私の考えです。
だから、他誌ではトップにもってくるような大きな大会を割愛して、本誌主催のアマチュアたちのムエタイ挑戦がカラー特集になったりするわけです。 本誌にとっては、こちらの方がよっぽど大事件。そう考えればもうおわかりでしょう。 実は格闘技界の未来とは、あなたがくり出すパンチやキックの積み重ねで作られていくだけなのです。おっといけないそろそろ練習時間だ。今日は何を練習しようかな…。
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2000年5月号
山田英司編集長
編集後記
今月は、空手ビギナーのための大特集。初心者に空手の技術や組手の技術を教えたら、日本で一番ウマイと言われている石井館長が、自ら空手着を着て本誌読者のために強くなるコツを大公開。
正道会館の指導法は、組手や試合の場から発想する逆発想のため、ムダのない合理的なもの。これまでの空手界の常識を破るものでした。
ある意味で、石井館長の発想と最も対極に位置する指導法を貫いているのが、同じく今月登場した盧山師範でしょう。ルールに左右されず、空手の基本を伝統の形のまま身につける事が大事。時間はかかるが一度身につければ、試合ではもちろん、生涯空手の技を追求できるとの考えです。あなたは石井館長派?それとも盧山師範派?そのどちらも大事に考えるのが、本誌の編集方針です。
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2000年6月号
山田英司編集長
編集後記
良く編集長のお仕事ってどんな事をするのですか?と聞かれる。聞く人はカッコイイ返事を期待して聞くんでしょうけど、編集長の一番大事なお仕事―それはクレームの処理です。とくに様々な格闘技や空手団体を扱う本誌には、どんな団体であろうが、2種類以上の団体を同じ号に載せた場合、99%の確率でクレームが来ます。西に酒ビンを持って謝りに行き、東に菓子折を持って事情説明に行く、というのが私の毎日のお仕事。
中には、そりゃないだろうと泣きたくなるようなクレームもありますが、そこは押忍の精神。プッツンするより笑顔で応対する方が、ずっと精神的なタフネスさが要求されます。読者が喜ぶ新鮮な顔合わせや、画期的な企画を企てるたびに、私は覚悟を決めます。というわけで、今日も東奔西走する私でありました。
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山田英司編集長
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