格闘伝説BUDO-RA 第14号 


 
BUDO-RA 第14号
 
第14号 2004年 2月23日発売

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特集 一本を取る正拳

緑健児 突きの連打で追い詰めろ!
鈴木国博 相手の構えと状況に応じた変化
長江国政 天才の突き

特集 一本を取る正拳
緑健児 全速全身で飛び込め!
鈴木国博 倒す突きを身につけよ!
長江国政 天才の突き

PDSが教えるОL護身術

パンクラス尾崎允美インタビュー

時代の流れを象徴する日露決戦
第1回極真連合杯世界空手道選手権大会

ムエタイチャレンジ
打倒ムエタイはなぜ可能だったのか? 内田和久VS桐原高央VS山田英司

ガールズショッ記 小川愉可

鉄人倉本成春の超人追求の空手

テコンドーに魅せられた女性達

ドラゴンズ・クライ 香港武打巨星たちの咆哮 1
“デス・ゲーム映画の原点”「ブルース・リー死亡遊戯」永遠的賛歌 知野二郎

未来に受け継ぐべき空手の技 長谷川一幸

波乱万丈空手道人生 重松栄一と松栄塾

真樹日佐夫千夜一夜

第76回新空手交流大会
IKUSA5〜乱〜
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表紙写真 緑健児+鈴木国博(写真撮影=柳生東世)

 
TRY 
■緑健児 全速全身で飛び込め! 世界王者が語る 勝利を切り拓く突き

緑健児 全世界空手道連盟新極真会代表理事

打ち合える肉体を作る

 空手の試合において、いちばん大事なことは、突きを打ち合えっても耐えられる肉体を作ることです。ボディを叩かれても効かされない、鋼鉄の腹筋が基本です。
 初心者はもちろん、上級者でも試合や組手を通して、ボディを効かされる苦しみを経験していると思います。中段にダメージを受けると、連鎖的に全身が崩れていきます。受けはもちろん大切ですが、叩かれても効かないボディを作ることが前提だと思ってください。
 それがあるから、思い切って飛び込んでいき、全体重を乗せたパンチを打てるのです。腹筋に自信がないと、全体重を乗せた突きを打つことができません。


正確な構えと突き方

 突きを強くするためには、正確なフォームと突き方をマスターしてほしいですね。
私は、周囲からは蹴りが得意と思われていましたが、勝つために強いパンチを身につけることによって、蹴りがより生きるようになりました。
 蹴るにも、突くにも、構えが大切です。構えには、自分に合ったスタンスがありますが、どんなスタンスでも、腰を落とすようにしてください。腰が伸びていると、蹴りも突きも、弱いものになってしまい、防御も甘くなって崩されてしまいます。
 相手に圧力をかける意味からも、かかとを軽く浮かして構えるようにしてください。
かかとを着いてふんばるのは、打ち合いのときです。かかとを着いたままだと、飛び込むときに動作が大きくなり、また、バランスを崩しやすくなります。


より強力な突きを

 第8回世界大会で活躍したデニス・グリゴリエフ選手のように、突きでも胸骨をへし折ることのできる選手がいます。彼が特別なのだとは思わず、日本選手でも胸へのパンチで確実にダメージを与えることができるようになってほしい。
 直突きは、効かせるだけでなく、相手の体勢を崩し、間合をとって、蹴りにつなぐこともできる、用途の広い技です。しかし、スピードがなければ、間合に入ることも、効かせることも、崩すこともできません。
 腰を落とし、回転を利かせて腰を切る。サンドバッグでも、腰を回して突く。ふだんの稽古から、腰の回転をしっかりと意識してください。
 最近は、パンチが必殺技たりえるものであるにもかかわらず、蹴りにつなぐためのコンビネーション技として使っている選手が見られます。
 パンチ自体をしっかり効かせてから蹴りにつながないと、蹴りが生きません。パンチが強くて、相手がそれをもらいたくないから、受ける。軽いパンチでは、相手が意識しませんが、強いパンチで意識が中段に行き、ガードが下がるから、上段への蹴りが入やすくなるのです。
 軽いパンチも、フェイント的に織り交ぜるなら、効果があります。しかし、練習で強いパンチを打っていないと、組手では出せません。日本選手では、竹澤剛選手が思い切って腰の入った突きを打っていますね。


強い突きを作るためには

 強い突きを身につけるには、シャドーよりも、サンドバッグの打ち込みをしっかりと行うことが重要です。
 足が着いてから叩くのではなく、ふみこんだ足が着地すると同時に突く。ふみこみは、すり足で。体重を前に出し、全体重を乗せて突きます。
 サンドバッグの打ち込みで行う連打は4つまででよいでしょう。何発も流して突いていても、強い突きにはなりません。常に肩と背筋を意識し、押すパンチにならないように、注意しながら突きます。
 下突きは、ふみこんで突くことがいちばん大事です。脇を開かずに、絞って突く。
肘を曲げたまま、小さく打つ人がいますが、肘を伸ばし、腕の可動範囲を大きくして、大きいモーションで思い切り突いてください。
 これだ!というものを持たなければいけません。自信のある技、倒せる技があれば、それを中心にして闘い方は、どんどん拡がっていきます。
 直突きを嫌がる相手には、直突きで追撃する。あるいは下突きへつなげる。下突きを嫌がったら、直突きに変化させるなど、どれが有効になるかをその場でつかむのです。
 どの攻撃がダメージを与えているのか? そこから何をつないでいくのか? それらを組手の中で瞬時に判断するためには、組手をたくさんこなして経験を積んでいくしかありません。がんばってください。


 
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